まくろーこんにちは、まくろーです!
僕がINPEXという会社を知ったキッカケは、投資情報ではありませんでした。キッカケは、清原果耶さんが出演していた「INPEXは何してる?」というCMです。
一時期よく流れていて、「INPEXって何の会社なんだろう?」と気になったのを覚えています。
CMを見ればエネルギーを扱っている会社だということは分かりました。
そこから株について調べてみると、比較的配当利回りが高い。それ以来INPEXを意識するようになり、YouTubeなどでも高配当株として名前を見かけることがあり、「一度ちゃんと企業分析してみたい。」と思うようになりました。
以前の記事で、個別株を購入する前に確認している10項目を紹介しました。
今回は、その10項目を実際にINPEXに当てはめてみます。
そして、最初に結論を言ってしまうと、INPEXは「買いたい会社」です。ただし、今すぐ買おうとは思っていません。
企業分析の結果、僕が出した現時点での結論は、「3,000~3,100円程度まで下がってきたら、相場環境を見ながら100株の購入を検討したい。」です。
なぜそう考えたのか。実際に調べた順番に沿って紹介します。
※この記事は特定銘柄の購入を推奨するものではありません。あくまで、僕自身が投資候補を分析した過程を紹介するものです。投資判断はご自身の責任でお願いします。
そもそもINPEXは何をしている会社?
CMではありませんが、まずは、「INPEXは何してる?」から調べました。
INPEXの主な事業は、石油・天然ガスなどの資源について、
- 調査
- 探鉱
- 開発
- 生産
- 販売
まで手掛けることです。
国内だけではなく海外にも事業を展開していて、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトなど、大規模なエネルギープロジェクトにも参画しています。
会社の歴史をたどると、現在のINPEXは国際石油開発と帝国石油をルーツに持っています。
2006年に両社が共同持株会社を設立して経営統合し、2008年には国際石油開発、帝国石油、持株会社が合併して現在に繋がる国際石油開発帝石が誕生しました。その後、2021年にINPEXへ社名変更しています。
つまり、長年にわたって国内外で石油・天然ガス開発の経験を積み重ねてきた企業です。
僕自身、最初は、「天然ガスなどを掘って、それを届けている会社。」くらいの認識でした。
でも、調べていくと、それだけではありませんでした。ここが今回INPEXを企業分析して、一番印象が変わったところです。
① 配当利回り|高配当だったことから投資候補へ
僕は個別株では配当を重視しています。そのため、企業分析の入口として最初に見るのが配当利回りです。
INPEXも、CMをキッカケに会社を知ったあと、「株はどうなんだろう?」と調べてみたところ、比較的高い配当利回りだったことから投資候補として意識するようになりました。
過去の僕だったらここで、「高配当だから買おう。」となっていたかもしれません。今は違います。
配当利回りが高いことは、あくまで企業分析を始める始まりに過ぎません。大切なのは、「その配当を今後も続けられる会社なのか?」だと思っています。
そこで次に、配当性向と配当実績を確認しました。
② 配当性向・配当実績|今後も増配を期待できる?
過去の配当性向を確認すると、一時的に高くなった年度はあるものの、常に無理をして配当を出している会社という印象ではありませんでした。
さらに注目したのが、配当金の推移です。
INPEXの年間配当は近年、
| 2020年 | 24円 |
| 2021年 | 48円 |
| 2022年 | 62円 |
| 2023年 | 74円 |
| 2024年 | 86円 |
| 2025年 | 100円 |
| 2026年 | 112円予想 |
と増加しています。
そしてINPEXは、2025~2027年の中期経営計画で、「年間90円を起点とした累進配当」を掲げています。
累進配当とは、原則として配当を減らさず、維持または増配していく方針です。
さらに自己株式取得も組み合わせ、総還元性向50%以上を目指しています。
僕は高配当株を選ぶとき、「今の配当利回りが高いか」だけではなく、「将来的に自分の取得価額に対する配当利回りが育っていきそうか。」も重視しています。
その点で、近年の増配実績と累進配当方針は、INPEXを長期保有候補として考える大きな理由になりました。
③ 何で稼いでいる?|石油・天然ガスが現在の収益基盤
次は、「INPEXは何で稼いでいるのか?」を確認します。
現在のINPEXにとって大きな収益基盤となっているのは、やはり石油・天然ガスです。
世界各地で資源の探鉱・開発・生産を行い、天然ガスや原油などを供給しています。
特に代表的なのが、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトです。
ここで僕が魅力を感じたのが、エネルギーは、人が生活する上でも経済活動をする上でも欠かせないということです。
電気を使う。
車や飛行機が動く。
工場が稼働する。
データセンターが動く。
社会が活動する以上、エネルギー需要そのものが簡単になくなるとは考えにくい。
そのエネルギー供給を担っていることは、INPEXの大きな強みだと考えました。
④ 競争優位性|簡単には参入できないエネルギー開発
次に考えたのが、「他社が簡単にINPEXと同じことをできるのか?」という点です。
僕は難しいと思いました。
石油や天然ガスを開発するためには、
- 巨額の資金
- 資源開発の技術
- 長年蓄積したノウハウ
- 海外でプロジェクトを進める能力
- 各国政府などとの関係
などが必要になります。
「今日から石油・天然ガス開発会社を始めます。」と言って簡単に参入できる業界ではありません。
さらにINPEXは、国際石油開発と帝国石油という長い歴史を持つ企業をルーツにしており、国内外で資源開発の経験を積み重ねてきました。
日本のエネルギー安定供給を担う中核的な企業として位置づけられています。
こうした、「規模×技術×経験×資源権益」は、新規参入企業が短期間で手に入れられるものではありません。
ここに、INPEXの競争優位性があると考えました。
⑤ 成長ドライバー|脱炭素は「逆風」だけではなかった
ここが、今回INPEXを調べて一番面白かったところです。
石油・天然ガス会社と聞くと、「脱炭素社会になったら厳しいのでは?」と思います。僕自身もそう考えていました。
ところが、INPEXについて調べていくと見方が変わりました。
INPEXが2035年に向けて掲げている「INPEX Vision 2035」では、天然ガス・LNGの拡大だけでなく、CCSや水素などの低炭素分野も成長分野として位置づけられています。
CCSとは、工場などから排出されるCO2を回収し、地下深くに貯留する技術です。
脱炭素を進めても、すべての産業からすぐにCO2排出をゼロにできるわけではありません。そこで、排出されたCO2そのものを回収・貯留するCCSが重要になります。
INPEXは、CCSを活用した第三者向けの温室効果ガス削減ソリューションの提供も成長軸の1つに掲げています。
さらに、水素などの低炭素エネルギーにも取り組んでいます。CCS・水素や電力関連分野に巨額投資も想定しています。
ここで僕は、「脱炭素=INPEXへの逆風」と単純に考えるのは違うのではないかと思うようになりました。
もちろん、石油・天然ガス需要が将来的にどう変化するのかはリスクです。
一方で、INPEXがこれまで培ってきた地下資源の開発技術や大規模プロジェクトを動かす能力をCCSなどに活用できれば、脱炭素・GXそのものが新しい成長機会になる可能性があります。
単なる石油・天然ガス会社だと思っていたけれど、CCSや水素まで考えると、むしろ脱炭素が成長機会にもなり得る。
これが、企業分析をする前と後で、僕のINPEXに対する見方が最も変わった部分でした。
⑥ 財務は健全か|大型投資が必要な会社だからこそ確認したい
次に確認したのが財務です。
石油・天然ガスの開発と聞くと、「ものすごくお金がかかりそう……。」というイメージがあります。
実際、INPEXが手掛けるエネルギー開発は大規模です。
だからこそ、「これだけ大きな事業を動かしていて、財務は大丈夫なのか?」という点は確認しておきたいと思いました。
僕が財務を見るとき、まず確認しているのが自己資本比率です。
僕自身は、
- 50%以上なら安心感がある
- 少なくとも40%以上は欲しい
という1つの目安を持っています。
INPEXは自己資本比率が50%を超えており、僕の基準では安心感のある水準でした。
また、「INPEX Vision 2035」を見ると、過去3年間で有利子負債の削減が進んだことから、2025~2027年は成長投資と株主還元をさらに強化する方針を示しています。
そして、2025~2027年の3年間累計で2.2兆円以上の営業キャッシュフローを目標としています。
大規模なエネルギー開発を行いながらも財務基盤を維持し、そこから成長投資と株主還元の両方を進めようとしている。
財務的に長期保有する上での安心感を持ちました。
⑦ PER・PBR|成長期待を考えると割安感がある?
次に確認するのがPERとPBRです。
僕は個別株を見るとき、
- PER:15倍以下
- PBR:1倍以下
を1つの目安にしています。
もちろん、この数字だけで投資判断するわけではありません。
以前、日本コークス工業を購入したときは、「PER15倍以下、PBR1倍以下=割安株」と考え、それだけの理由で購入してしまいました。
しかし、安い株には安い理由があることもあります。
いわゆる「バリュートラップ」です。
その失敗については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
今は、PERやPBRを見る前に、「この会社はこれから成長できるのか?」を考えるようになりました。
INPEXの場合、
- LNG・天然ガス
- CCS
- 水素
- 電力関連
- GXという政策・社会の流れ
など、将来につながる成長ドライバーがあると考えています。
その上でPERやPBRを見ると、「将来性への期待がある割には、そこまで割高ではないのでは?」という印象を持ちました。
少なくとも、「期待が株価に織り込まれすぎていて、高値掴みになりそう。」という印象ではありませんでした。
もちろん、PERやPBRが低いから株価が上がるとは限りません。
だからこそ、企業分析→成長性→PER・PBRという順番で見るようにしています。
⑧ 長期保有できるか|5年、10年持つからこそ面白い会社
次に考えたのが、「INPEXを5年、10年持ち続けたいと思えるか?」ということです。
僕の答えは、「長期で持ってみたい。」です。
理由の1つが、先ほど紹介したCCSや水素です。
これらは、明日から突然INPEXの主力事業になって莫大な利益を生み出すようなものではないと思っています。
だからこそ、5年、10年という時間軸で成長を見ていきたい。そう感じました。
さらに、配当も魅力です。
INPEXの年間配当は2020年の24円から増加し、2025年は100円、2026年は112円が予想されています。さらに2025~2027年は90円を起点とした累進配当を掲げています。
もし今後、事業が成長して配当も増えていけば、長期保有することで取得価額ベースの配当利回りが高くなっていく可能性があります。
財務基盤にも安心感があり、企業規模も大きい。僕にとっては、「配当を受け取りながら、5年、10年先の成長を見てみたい会社」です。
もちろん長期保有にもリスクはある
一方で、気になることもあります。
現在の収益基盤である石油や天然ガスは、脱炭素社会という大きな流れだけを見れば逆行する部分があります。
さらに、資源価格や為替によって業績が変動することも、資源会社ならではのリスクです。実際、INPEX自身も業績予想では原油価格や為替の前提を置いています。
だから、「INPEXは大企業だから10年間安心。」とは考えていません。
CCSや水素などが本当に次の収益源へ育っていくのか。既存の石油・天然ガス事業をどのようにエネルギートランジションへつなげていくのか。
ここは株主になった後も継続して確認していきたいポイントです。
⑨ 今の株価で買うか|良い会社でも「今すぐ買う」とは限らない
ここまで企業分析をして、「INPEXは買いたい。」という気持ちはかなり強くなりました。
では、今すぐ買うのか?
現時点では、「待つ」という判断です。
僕は企業分析をしたあと、最後に株価チャートを確認します。
過去の値動きを見ると、INPEXは大きな相場変動の中で株価が下落した場面もありました。僕が特に意識しているのが、直近の大きな暴落です。
INPEXの場合、
- 2024年8月のいわゆる植田ショック付近:約1,700円
- 2025年4月のトランプ関税ショック付近:約1,650円
という水準です。
一方、この記事を書いている2026年8月時点では、株価は3,700円台まで上昇しています。
さすがに現在の状況から、「また1,650~1,700円まで下がるまで待とう。」とは考えていません。そこまで底値を狙ってしまえば、いつまでたっても買えない可能性があります。
そこで僕が現在意識しているのが、3,000円前後です。
3,000円以下で買えれば一番うれしい。
ただし、3,000~3,100円程度まで下がってきたら、そのときの相場環境やINPEXの業績などを確認した上で、100株の購入を検討したいと思っています。
配当利回り3.5%を超えたときにも買わなかった
実は、INPEXの予想配当利回りが3.5%を超える水準になったとき、「ここで買ってもいいかな?」と思ったこともありました。
それでも購入せず、ステイしました。
理由は単純で、もう少し取得価額ベースの配当利回りを高くしたいと思ったからです。
2026年の年間配当予想112円を前提にすると、仮に3,000円で購入できれば、取得価額に対する予想配当利回りは約3.7%になります。
さらに今後増配していけば、取得価額ベースの配当利回りはさらに高くなる可能性があります。
だから私は、今のところ焦って買わずに待っています。
インデックス投資があるから待てる
では、「待っている間にINPEXの株価がさらに上がったらどうするの?」という話になります。
もちろん、その可能性はあります。
3,000円まで下がらず、4,000円、5,000円と上昇してしまうかもしれません。それは機会損失です。
それでも僕が待てる理由は、資産形成の主軸をインデックス投資にしているからだと思っています。
わが家では毎月一定額をインデックスファンドへ積み立てています。
だから、個別株を無理に買わなくても投資そのものは続いています。
個別株については、「買わなきゃ。」と焦る必要がありません。
自分が納得できる企業を見つけて、自分が納得できる株価になるまで待つ。
それが今の僕の個別株投資のスタイルです。
⑩ 最終判断|INPEXは「買いたい。でも今は待つ」
10項目を使ってINPEXを分析した結果、現時点での結論は、「INPEXは買いたい銘柄。ただし、今は待つ。」です。
企業そのものについては、
- 配当・株主還元に魅力を感じる
- 財務面にも安心感がある
- エネルギーという社会に不可欠な事業
- 新規参入が難しい
- LNG・天然ガスという収益基盤
- CCSや水素などの将来性
- GXという政策面での追い風も期待できる
など、長期保有したいと思える理由がありました。
一方、「良い会社=どんな株価でも買っていい」とは考えていません。
現在の僕の購入目安は、3,000~3,100円程度。この水準まで下がり、予想配当利回りが3.5%を超える程度になったら、その時点の業績や相場環境を改めて確認して100株の購入を検討します。
「買わない」ではなく「待つ」|登録銘柄リストでウォッチ中
企業分析をして、「買いたい会社だ。」と思っても、その日に注文する必要はありません。
僕は、「買いたいけれど、希望する株価まで待ちたい銘柄」を証券口座アプリの「登録銘柄リスト」に入れています。
INPEXも現在、その中の1つです。
株価をウォッチしながら、「自分が買いたい水準まで来たか?」を確認しています。
もし3,000~3,100円程度まで下がってきたら、株価だけを見て即購入するのではなく、
- なぜ株価が下がったのか
- INPEXの業績に問題はないか
- 配当方針に変化はないか
- 原油・天然ガス価格はどうなっているか
- 市場全体が暴落しているのか
- 日経平均VIなど市場の地合いはどうか
などを改めて確認します。
そして、「企業分析したときの前提が変わっていない。」と判断できれば、100株購入を検討します。
企業分析は一度やったら終わりではありません。
株価が自分の希望水準まで来たときに、もう一度確認する。この一手間も大切だと思っています。
実際に10項目で分析して分かったこと
今回INPEXを分析して、一番印象が変わったのは、「脱炭素」に対する見方でした。
調べる前の僕は、「INPEX=石油・天然ガス会社」というイメージを強く持っていました。
そう考えると、脱炭素社会はINPEXにとって逆風に見えます。
しかし、企業について詳しく調べてみると、
- CCS
- 水素
- LNG
- 電力関連
など、エネルギートランジションを見据えた事業にも取り組んでいました。
特にCCSは、これまで地下資源開発で培ってきた技術やノウハウを活用できる可能性があります。
つまり、「単なる石油・天然ガス会社だと思っていたけれど、CCSや水素まで考えると、むしろ脱炭素が新しい成長機会になる可能性がある。」ということです。
これは、配当利回りやPER・PBRだけを眺めていても分からなかったことでした。企業分析をしたからこそ気付けた部分です。
まとめ|「良い会社」と「今買いたい株」は同じではない
今回、前の記事で紹介した10項目を使って、実際にINPEXを分析してみました。
最終的な僕の評価を簡単にまとめると、
会社としては買いたい。
長期保有もしたい。
でも、今の株価では待ちたい。
です。
昔の僕なら、「高配当株として紹介されている。」「PER・PBRが割安。」という理由だけで買っていたかもしれません。
しかし今は、
何で稼いでいるのか。
競争優位性はあるのか。
これから成長できるのか。
財務は大丈夫なのか。
配当を続けられそうか。
そして、「その会社を、今の株価で本当に買いたいのか。」
まで考えるようになりました。
企業分析は、買うための理由を探す作業ではないと思っています。
調べた結果、「買わない。」という結論になってもいい。「良い会社だけど、今は待つ。」でもいい。
今回のINPEXについては、まさに後者でした。
今は証券口座アプリの登録銘柄リストに入れて、株価をウォッチしています。そして3,000~3,100円程度まで下がる場面が来たら、そのときにもう一度企業分析をしてみるつもりです。
もし実際にINPEXを購入したら、「なぜそのタイミングで買ったのか」についても記事にできたら書いてみたいと思います。
最後までありがとうございました!
※本記事は特定の銘柄の購入を推奨するものではありません。記載している購入目安などは、あくまで筆者個人の投資方針・判断です。株価や業績、配当などは変動するため、実際に投資する際は最新情報をご確認ください。










